コザの天ぷら【コツのいらないアジア音楽】VOL.15
ー福岡の中心でアジア音楽を味わう

Music Lane Okinawa的ニュース

突然ですが、このMusic Lane Okinawa のニュース記事、チェックしていますか?、Music Lane Festival Okinawa 2024をきっかけにした海外・国内の音楽フェスティバル出演決定の勢いが!!!!止まらない!!!!留まることなく、ひっきりなしに続いていて本当に驚くばかり!

【Hyogo,Japan / 兵庫】「ONE MUSIC CAMP 2024」第2弾出演アーティスト発表!“Music Lane Festival Okinawa”から選ばれたJonnivanも!

【Toyama, Japan / 富山 】スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールド 2024第一弾でANA FRANGO ELETRICO (ブラジル)など6組を発表

7月にモンゴルで開催される「Playtime Festival」日割を発表。
以下は「Music Lane Festival」からのセレクション。
7/4(金)GOONAM(韓国)YUKINO INAMINE & HARIKUYAMAKU DUB(沖縄)
7/5(土)strawman & celine(イタリア+モンゴル)
7/6(日)HOME(沖縄)DARTHREIDER & THE BASSONS(日本)

ぜひ、ニュース記事や公式SNS(X・Instagram)も見逃さずチェックしてみてくださいね!

 

フェスシーズン到来!

海外音楽フェスの話題に繋げて、今回は音楽フェスのお話。3月に福岡で開催された音楽フェス LOVE FM FESTIVAL 2024 に参加してきました。純粋な音楽体験はもちろん、Music Lane Festival Okinawa 2024で出会ったBillyrromやデリゲーツとの再会、さらには新たな出会いや仲間ができ非常に収穫のある2日間。今回の旅では、福岡市の街でアジアの音楽がどのように馴染んでいるかを体感してこよう!という裏テーマもあり、そのテーマで考えたことを少し。

福岡空港は現在アジア9か国との直行便や、空港から観光の主要エリア間の交通の利便性の良さ、アジア美術を専門にした福岡アジア美術館があるなど、アジアと繋がるハード面の充実に加えて、福岡市は行政を主体として1990年からアジアの文化交流をテーマにしたイベントが長年続いていることもあり、官民問わず様々なアジアなイベントが大小問わず開催され、アジアの国との文化交流がとても盛んな都市。

今回の音楽フェスでは韓国ソウル生まれ、福岡在住のYonYonや、インドの太鼓ラブラ奏者のU-zhaan、韓国のトロットと呼ばれる韓国演歌のジャンルで日本デビューを果たした男性アイドルK4が出演。
音楽フェスのラインナップからアジアとの繋がりを感じる中で、強く印象に残ったのは、2018年から福岡を拠点に活動するDJパーティクルー ソムタムワナカーンのDJプレイ。
この日は全クルー8名のうちメンバーからhassi、yogi 、kiimao tongの3名が、タイ、インド、インドネシア、ベトナムなど各国のダンスミュージックを色鮮やかにプレイしていくスタイル。

DJイベントに親しみのないお客さんが多い音楽イベントだったりすると、DJパートは、ステージ転換中の添え物として扱われ、DJプレイが軽視され苦虫を噛む場面を見聞きすることもしばしば

しかし、そういった通例を打ち砕くかのように、ソムタムワナカーンのプレイ時間になると、MCの呼びかけに応じてDJブース前に人が集まり始めた。

 

 

インドネシアの伝統楽器ガムランの音色をサンプリングしたTokyo Driftでどっと湧く観客。この日はタイのお正月 水かけ祭りが近いこともあり、お正月にちなんだ曲を選曲すると、観客は大盛り上がり。一気に身体を揺らす人が増え、会場の熱が上がっていく。ふと周りを見渡すと、観客の多種多様さに驚いた。ーイベントご常連の音楽好き、日本語学校に通う福岡在住の外国人留学生、アジアへの留学経験のある日本人、大学教授らしき研究者、バックパッカーとしてアジア各地を旅した思い出を振り返りながら楽しむ人、アジア各地に駐在経験のある社会人、多国籍料理店のスタッフ…

プラス、会場内のBARエリアに並ぶ通行人を巻き込み、時間が経つに連れて足を止める人が、どんどん増えていく。(むしろBAR誘導スタッフもつられて一緒に踊っている)

 

「アジア音楽で旅しよう」を体現する賑やかな時間

そこで流れている曲の言語を全てわかる人間は片手で足りるぐらいでだろう、歌詞がわからずとも中毒性の高い楽曲に取り憑かれ、耳を傾けたり、肩でリズムをとり、踊り出す。

 

メロディの(J-POPでは考えられない)意外性に不意に笑いが起こったり、楽曲検索アプリShazamで楽曲を検索したり、動画に収めたり、馴染みの楽曲をきっかけに過去訪れた土地の思い出話に華が咲いたりしている。

さらにはチームのメンバーkiimao tongは今かけている楽曲がどの国の曲か、どういった特徴があるか、現地で人気の振り付けのレクチャーなどMCを挟んで説明し、それが一期一会の会話のきっかけになり、観衆は見ず知らずのまわりの人と談笑し、音楽の輪が広げていく。

なんて野外映えするDJタイムだろう!DJと観客の作り出す空間の心地よさ、「アジア音楽で旅しよう」のキャッチワードに納得しきりの60分だった。

 

千里の道も一歩から

前出のkiimao tongは、LOVE FMの番組DAYTIMEのコーナー"WORLDPICS"の月1レギュラー(第1火曜)としてタイの気になる話題を紹介(ご本人曰く、かなり緩めの親しみのある話題、とのこと)。様々なチャンネルでアジアの音楽に触れる機会を創出し続けることに敬意を払わずにはいられない。30年来の福岡とアジアが繋がる文化交流の流れを汲む継続性と幅広い世代の交流による新陳代謝とアップデート、今回はソムタムワナカーンのステージからその一端を感じることができた。

福岡にはFMラジオ局が3局、AMラジオ局が2局ある。街の中でラジオから流れる音楽も様々なシーンで機能していることが想像できる。今回の音楽フェスを企画しているLOVE FMのサテライトスタジオは百貨店の1ブース。スタジオから流れる、聴いたことのない未知なる音楽に興味を持ち、楽曲にアクセスし楽しむ素地が出来上がっているのは羨ましくもある。この強みがアジアの音楽に対しても発揮しているのだろう。(習い事帰りの和服を着たご婦人が流れてる楽曲を尋ねてラジオパーソナリティとレコードの話題で談笑している場面は、個人的ハイライト。沖縄でもいつかこういった場面に立ち会ってみたい)。千里の道も一歩から。

▶ 今回ご紹介のアーティスト

Somtam wan ang khaan ส้มตำ วันอังคาร ソムタムワナカーン~タイ、そしてアジア音楽の集い~

since 2018.02 from 福岡

ソムタム(青パパイヤのサラダ。タイ・イサーン地方の三大ソウルフードの一つ)に取り憑かれたタイ好きメンバーが集い始まったDJ PARTY。ワナカーン(タイ語で火曜日)が第一回目の開催日であった事がその名前の由来。レギュラーメンバーはhassi、kiimao tong、yogi、ERROR、カーネル食堂、iroiro靖子、さんどろん。これまでにSoi48、江村幸紀(EM Records)、MOOLA(ヤンガオ)、OMK 、Juu & G.Jeeらをゲストに迎え、平日・週末問わずKieth Flackを中心に開催。2020年には大阪YOKSOK出張編そしてタイフェス佐賀のフロアを沸かせ、2024 3月ソムタムワナカーン6周年記念で韓国から待望のDJsee sea ACS.パク ダハム、OMKらを迎え盛大に祝った。タイ国境に留まらず、アジア全域のカルチャーとムーブメントが体感できる、九州では唯一無二の多国籍感覚パーティとして進化中!

サクライアヤコ:沖縄本島やんばる在住。アジア圏のインディペンデントな音楽を愛聴する、コラム・エッセイスト。
Instagramにて、邦楽アーティストとアジア圏のアーティストのコラボ(コライト)曲に特化した楽曲レビューを不定期更新中 。

 

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