Credit: LABBfest.
12/8～9にタイ北部チェンマイでおこなわれたショーケースフェス「LABBfest.」にDelegatesとして参加してきた。
「バンコクのバンドばかりでなく、チェンマイのバンドも世界に広めていきたい」という主催者の想いのもと、今年で4年目を迎えた当イベント。年々規模を拡大しており、例年は1日だけの開催であったが、今年は2日間の開催となった。また、今年は初めてBusiness Matching Meetingもおこなわれた。
LABBfest.の出演バンドは、半分ほどはイベント側からの招待、もう半分ほどは応募による選考で選ばれる。今年は約60バンドからの応募があり、そのほとんどがチェンマイとバンコクから、一部海外からの応募も含まれていた。
イベント側招待枠については海外アーティストも招かれており、日本からはNenashi、そして、TOSHが選ばれた。
JOINJOY (Chiang Mai, TH)
JZB (Chiang Mai, TH)
GAZEKATE (Chiang Mai, TH)
GOLF HAIR SALON (Chiang Mai, TH)
TORRAYOT (TH)
CHILL QIN (TW)
NENASHI (JP)
FORD TRIO (TH)
TUESDAY BEACH CLUB (KR)
_LESS (TH)
PALM HUSSAPHON (TH)
VEGA (Chiang Mai, TH)
87DANCE (KR)
VVAS (TH)
TOSH (JP)
YAJASU (KR)
SUPERGOODS (TH)
MAD MADMEN (ID)
ALEC ORACHI (TH)
日本から参加のNenashi。2024年2月にタイ「FORD TRIO」を客演に迎えリリースした「Unlikely Soul feat. FORD TRIO & Mike Larry Draw」をFORD TRIOのギターボーカルFordと共にステージ上で披露。
日本・沖縄から参加のTOSH。
筆者は毎年Delegatesとして招待いただいており、また、応募バンドの審査員の一人として選考もおこなっている。今までで一番多くの応募があり、レベルも高くなっている。それだけに、今回選ばれて参加したバンドはどのバンドも素晴らしい演奏だった。
Delegatesについても海外からも招待されており、沖縄発ショーケースフェス「Music Lane Festival」の野田氏もその一人として参加した。
事前登録制でおこなわれた当イベント。早々に定員に達し、多くの入場者が見込まれた。
イベント当日、序盤は人入りが若干寂しかったものの、時間が経つにつれ入場者はどんどん多くなっていき、夕方頃にはステージ前スペースは満員となっていた。
LABBfest.2日目の午前中にはBusiness Matching Meetingがおこなわれた。LABBfest.に出演、もしくは、応募をしてきたバンドが30組ほど参加した。
各Delegatesの自己紹介から始まり、続いて参加バンドを音源と共に紹介。その後、Business Matching Meetingとなった。
Credit: LABBfest.
3時間半に渡り全12バンドから相談を受けた。白熱したMeetingになったかと思う。
皆だいたい同じような悩みを抱えていた。相談しに来たほぼ全部のバンドがレーベルに所属していない、DIYで活動しているバンドであった。今後の予定を尋ねると、「来年アルバムをリリースする」「現在EPを制作中」など音楽を作る活動の話が大半を占め、作った音楽を広める活動に言及するバンドはほとんどいなかった。そのため、DIYでの活動という資金もリソースも限られた活動の中で、どのようにすれば作った音楽を広めることができるのか、経験則からできる限りのアドバイスをした。
Credit: LABBfest.
いつの間にかアジア地域でのショーケースフェスは少なくなってきている。台湾・台南のLUCfestは今年開催されず、韓国・ソウルのZandari Festaはショーケースフェスから音楽フェスに衣替えを始めている。
そんな状況のなかで頭角を現し始めたLABBfest.。来年も恐らく開催されると思われる。海外からの応募も受け付けているので、LABBfest.のSNSをフォローし、来年の応募開始を待っていてもらいたい。
https://www.instagram.com/labbfest/
https://web.facebook.com/LABBfest/
チェンマイには良質な音楽が育つ土壌がある。毎年のように日本ツアーを敢行しすでに日本でもファンベースを築いているYONLAPA、来年1月に初の日本ツアーを控えているSolitude is Bliss、すでに数度の日本ツアーをおこない高い評価を得ているCommon People Like Youなどなど、多くのバンドを輩出している。
LABBfest.に参加したチェンマイのバンドが、上記のバンドに続き、世界にはばたく手助けができればと切に願う。
※ショーケースフェスに参加した・今後参加してみたいというバンド・アーティストの方に向け、「ショーケースフェスティバル参加の心得」と題したコラムも書いているので、是非、参考にしてみてもらいたい。
※Music Lane連載との連動プレイリスト「めくるめくタイインディーズの世界」も合わせてどうぞ。
■執筆者紹介
Ginn
タイ・バンコク在住15年。タイ人メンバーと結成したポストハードコアバンド「Faustus」で自身でも音楽活動をしつつ、日本とタイのインディーズシーンを支援するためのレーベル「dessin the world」を主宰。「日本の音楽をタイに。タイの音楽を日本に。」をコンセプトに、日・タイ音楽交流のための草の根活動をおこなっている。
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