【Column】
コザの天ぷら【コツのいらないasia音楽】Vol.2
ステージ公募 勝手に応援!(ヒント付き)

コザの天ぷら。通称【コザ天】。
今回は締切間近に迫るMusic Lane Festival Okinawa2024の出演公募(https://musiclaneokinawa.com/archives/54342) について勝手に応援!というお話。

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【コザ天Vol.2で聴くべき曲 4選】
☞Ride On Turtle / 吉田凜音

☞Lover Boy 88/ Phum Viphurit & Higher Brothers

☞太陽が昇るまで / さらさ

☞nowhereland feat. TOSH / EijiHarrison

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Music Lane Festival Okinawa2024の出演公募締め切りが間近です! 

☞ニュースリリース https://musiclaneokinawa.com/archives/54342
☞エントリーフォーム https://musiclaneokinawa.com/tamm_entry_sheet
☞ English Entry Form https://musiclaneokinawa.com/en/tamm_entry_sheet

演者は顎足枕自身で負担。なれどそれ以上のコネクションを得るチャンスが与えられるMusic Lane Festival Okinawa2024。

前回イベントの応募数、ご存じですか?
正解は
>国内40組、海外66組
実際にステージに立ったのは19組。19/106組

ちなみに、国内の音楽フェスの登竜門的オーディションはどのぐらいかという
フジロック2023 ROOKIE A GO-GOが、15/3800組
サマソニ2019 出れんの⁈サマソニ⁈ が 10/3900組

知名度の違いこそあれど、Music Lane Festival Okinawa2024は、日本でいうフジロック・サマソニに並ぶほどの、有名なアジア諸国のショーケース音楽フェスの担当者や有名デリゲーツ(音楽関係者)に一気にアピールできる、すごいイベント。
実際、前回出演のアーティストの皆さんがしっかりと実を結んだこともあり、今年は応募数は増えること必至。でもまだまだ穴場な公募。

− 読んでいる人の頭に浮かぶ心配を先回りして記述するが、誰しも不安になるであろう、言葉の壁。このコラムを読んでいる言語に不安があるアーティストにこの言葉を送りたい。

音楽は言語だ。

− 音楽は言語だ。
− 我把音乐当作是我的语言
− Music as my language.

このカッコいい言葉には、引用元がある。
中国で2021年に放送された、女性hiphopラッパーのコンペ サバイバル番組”黑怕女孩 (Girls Like Us)”。共同生活をおくりながら、シーズンごとにチームを結成。ラップと曲、ステージ演出でジャッジされ、優勝を目指す番組だ。もちろんステージ途中で脱落者も出るため、出演者も、視聴者も緊張の瞬間がたびたび訪れる。
この番組には日本から女性ラッパーの吉田凜音が参加していた。(*1 )

“黑怕女孩 (Girls Like Us)”第1シーズン、吉田は抜群のステージセンスで選抜をクリアするも、当初、彼女をチームメイトに迎えるチームがあらわれなかった。
そんなとき、メンター(先導役)の88rising 所属、hiphopグループHigher Brothers、 現在は中国ストリートブランド「AFGK」のファウンダーでもある 马思唯 Masiwei が 、

”みなさんが手を上げない(注釈:チームに迎え入れない)理由が言語の壁であれば、聞きたくない。この番組は音楽が言語だ。中国語がわからなくても、日本語が分からなくても、音楽が共通の言語になる。自分も海外で活動しているが、英語がわからなくても音楽によって交流している。”

とゲキを飛ばし、その後チームに迎えられるというシーンがある。様々な人とコライト(共同制作)する马思唯 Masiwei 自身の経験から発した言葉は、とても説得力があった。

この言葉はMusic Lane Okinawaにも通じるものがある。

− 音楽は言語だ。

この言葉をどれだけ信じられるか。これを読んで応募に気持ちが動いてくれたらと思う。1人でも多くチャンスをつかんでほしい。

ここまで読み進めてくれた人へ、【公募の際のヒント大公開!】 

Music Lane Festival Okinawa主催者に、昨年の公募選出の際にセレクターが注目していたポイントを聞いてみた

たった2点
◆1にも2にも作品や演奏のクオリティ
◆アーティスト自身のショーケースフェスティバルへの理解度(と実行力*)

とのことだ。(*)はサクライ補足

これを私なりに読み解いていくと、作品や演奏のクオリティについては、海外アーティストとのコラボレーションや海外フェス出演が前回決定したバンドやアーティストの楽曲/ステージをリファレンス(参考)にして楽曲の作成と完成度を高めることが重要ということ。

前回の同イベントで海外でのチャンスを掴んだ国内バンド・アーティストは

element of the moment
ARAGAKI Mutsumi
TOSH
さらさ
ハシケン
HOME
Famous Japanese

これらの彼女・彼らの楽曲と同程度のクオリティかつパフォーマンスを2024年1月当日に期待してもらえるか、常に意識したほうが良さそう。
もう一つ、ショーケースフェスティバルへの理解度については、ヒント公開に続けて主催者が補足してくれた。

“海外の音楽関係者を多く招いて、アーティストと直接繋げる機会を設けるのですが、なかなかそこをわかってもらえないことが多いです。 (中略)やはり、ショーケースの前に、各音楽関係者に英文の資料を渡すなどして、直接アプローチをする必要があります。
(選出後は)レセプションや1on1ミーティングもありますし、関係者のメールアドレスもアーティストへ知らせています。ショーケースは同じ時間に何箇所もライブがあるので、そこはちょっとしたバトルです。何もせずに会場で演奏をするだけだと、何の結果も得られないということになるので、ショーケースフェスティバルへの理解があるかどうかということはとても重要です。”

かなり強く主体性を求められているというのが、ショーケースイベント以外の興行との大きな違いと読める。
より具体的なデリゲーツ(音楽関係者)へのアプローチ方法は

めくるめくタイインディーズの世界
第4回「コロナ禍の今のうちに海外進出に向けてやっておきたいこと」

めくるめくタイインディーズの世界 第4回「コロナ禍の今のうちに海外進出に向けてやっておきたいこと」

 で、Ginnさんが記事にしていますので、一読を。

最後に、観客の立場から、もう一押し。 

年末の風物詩 漫才登竜門 M-1グランプリ。
M-1は芸人の芸を楽しむだけでなく、ノーマークの芸人が勝ち上がっていく瞬間を目の当たりにできる高揚感が視聴者を引き付けるファクターだ。
その音楽版を想像して欲しい。

前回このイベントを客席から見た私は、

いつか行ってみたいと思ってニュースを常にチェックしていたLUCfestの投稿に”さらさ”の文字を見つけた瞬間、TOSHのInstagramストーリーで海外フェスの告知がUPされるたびに喜びでスマホを手に叫んだ(本当に叫んだ)。実際にステージを見たアーティストの出演決定!の喜びに感じるそれは、成り上がりの瞬間に立ち会えている高揚感。(未発表の海外フェス出演の告知がまだ控えているそう。お楽しみに!)
2024年沖縄が中枢となりアジアに羽ばたくのは、このコラムを読んで応募した貴方か。チャンスを掴んだ貴方以外の誰かか。活躍を期待しているのはデリゲーツ(音楽関係者)だけではない。
私を含めた沖縄/日本/世界中から集まる観客も、そのシンデレラストーリーを目の当たりにしたい‼︎のだ。
応募締め切り9/30。とっておきのアピールをフォームから送ってほしい!不安を乗り越えて動け!応援しています!

(*1) 参考ページ

https://rinneyoshida.jp/news/4141

記事中に登場するやりとりは1:18:50~。Google翻訳を駆使してコミュニケーションをとる姿も収められている。

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筆者紹介
サクライアヤコ:沖縄本島やんばる在住。アジア圏のインディペンデントな音楽を愛聴する、コラム・エッセイスト。
Instagramにて、邦楽アーティストとアジア圏のアーティストのコラボ(コライト)曲に特化した楽曲レビューを不定期更新中。

https://adroit-orchid-f7m0xv.mystrikingly.com/

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