2021/3/5-3/11・今週の出来事(敬称略)

2021/3/5(金)
ハシケンと会う。

桜坂で久々に、シンガーソングライターのハシケンと会う。2月の”Music Lane festival Okinawa 2021”への出演後、ハシケントリオでの無観客配信ライブを挟んでそのまま沖縄に残り新作の録音を進めているという。
今回のレコーディングのテーマは「すべてを出し切ること」。これまではどこかでリミットを設けてしまっていたという。新曲とカバーを半分ずつで、ギターとピアノを使った一発録りだと聞いて、2016年に一緒に作った彼の「うた」というアルバムのことを思い出した。あの時も同じ録音のやり方で、ほぼ1度か2度の演奏でokテイクが出る場面を目にして、集中度の高さと表現に向かう姿勢の迫力を感じていた。今はさらにその先の限界を突破することを目指していて、それは表現者としての成長を諦めていないということ。少し見方を変えると、新たな記録に挑むアスリートの様にも感じられる。
夜、プロモーションビデオ用に撮影された、実際の録音中のビデオが2曲分送られてきた。そこにはまさに、スタジオの中で歌が生まれてくる息をのむような瞬間が収められていた。間違いなく素晴らしい作品が生まれつつある。

この映像は「うた」のレコーディング時(2016年)の映像。

3/9(火)
国際Zoom会議

2月末で締めを迎えた補助事業の報告と精算の作業に忙殺されている。一つでも大変なのに、今年は三つを同時進行。ほかの業務が止まってしまう。
そんな中、インドのKaushikからの招集で。深夜インターナショナルなZoom会議に参加する。なぜか、理事に名を連ねている「MusiConnect Asia」というアジアの音楽ネットワーク組織の定例会。トロント、沖縄、蔚山、バリ島、ムンバイ、イスタンブール、アブダビ、テヘラン、カイロ…。参加者が世界中に散らばっていて、開始は日本時間で23:30。さすがに疲れてどうしようと思ったが、不義理をすることも憚られて、パソコンを開く。


「MusiConnect Asia」が設立されるきっかけは、2017年に沖縄でやった「Trans Asia Music Meeting(TAMM)」という音楽カンファレンス。その時、現在「MusiConnect Asia」の代表理事を務めるKaushikにも参加してもらった。「TAMM」の直後の彼のメールには、”アジアの音楽ネットワークを早急に組織化することが必要だ”とこと熱く細かに書かれていた。
それはわかる。アジアは世界的に見ても有望な音楽のマーケットだ。それは欧米から見るとまさに垂涎の的である。しかし、アジア側から見ると、自分たちの地域で息づく多様性に溢れた優れた音楽を、同じように世界に紹介したいという想いは強い。どちらか一方ではダメで、二つの想いを相互に形にするプラットフォームが必要なのだ。

ミーティングの議題は主に4つ。
1)ホームページ上に構築しているデータベースをどう充実させるか。
2)インドのナガランドでの「Asian Music Summit」の開催。(11月にフィジカルで!)
3)国際的なコラボレーションの推進。
4)資金造成。

現状では、データベースの充実が最優先だと考えている。東アジアから中東、コーカサスまで、横断的にしかも勇気的にアジアを繋ぐ音楽のネットワークは他に存在しない。ここに情報を集積して、プラットフォームとして機能させることができれば、人もお金も集まってくると思うのだ。

アーティスト登録などは以下のリンクから。
https://musiconnectasia.org/

3/10(水)
Live at Sakurazaka ASYLUM 2021リリース

10回目の「3.11」を翌日に控え、タテタカコのプロデューサーのムラマツから電話。曰く「明日、先日の”Sakurazaka ASYLUM”のライブ音源を配信でリリースする」とのこと。事前に話があっても良さそうなものだが、リリース前日、後戻りできないタイミングでの連絡。一応、主催者にスジは通しておこうという粋な配慮だと受け止めて承諾する。

詳細はこちら

今回のライブ、私自身はコザの会場に張り付いていたため生で聴くことはできなかったのだが、送られてきた音源を聴いて、驚いた。紛れもないバンドサウンドだった。
生楽器で奏でられるバンドサウンドには、人間らしい体温があって、美しさすら感じられた。タテタカコの真っ直ぐな歌とピアノが真ん中にあって、コハモトリオと和田充弘の演奏と一緒になることで、新たな音楽の高みへと螺旋を描くように駆け上がっていく。
ジャズ・ユニットだけに、抜群の即興性で、メンバーそれぞれのインスピレーションが折り重なるように、音楽に注がれていく。タテタカコの音楽の世界観は、さらに大きな広がりを見せていく。それはまさに奇蹟の連続で、胸熱な演奏が繰り広げられるのだ。
ムラマツがリリースを決めてくれて、ただただ良かったと思う。

●タイトル:Live at Sakurazaka ASYLUM 2021
●収録曲:
1.花化粧 / hanagesho
2.crow
3.鏡 / kagami
4.星めぐり / hoshimeguri
5.十一月 / juichigatsu /
●アルバム購入者特典音源:3曲入り
●アルバム購入者特典映像:Sakurazaka ASYLUM 2021ライブ映像

タテタカコ/takako tate (Vo,Pf) 中村亮/akira nakamura (Dr) 小波本正/tadashi kohamoto (Sax)
高尾英樹/hideki takao (Bass) 和田充弘/mitsuhiro wada (Trombone) 大沢夏海/natsumi osawa(Cho) *crow / Live at Sakurazaka ASYLUM 2021
感物屋/kanbutz-ya (Soundengineer)

↓☆試聴&ダウンロードページ☆↓
https://tatetakako.bandcamp.com/

3/11(木)
中村太鼓ひとりタタキ旅2021


元ブランキー・ジェット・シティーのドラマー中村達也による「中村太鼓ひとりタタキ旅2021」、沖縄ツアー初日@ミュージックタウン音市場。フロアの中央にドラムを置いて、扇型に客席を配置した。マイクなしの生音なので、照明も極力生っぽく。
中村達也と会うのは多分4度目。過去3回は遠藤ミチロウとのユニットTouch-Meでの沖縄ツアーで顔を合わせていた。
2度目にやった時は、三宅伸治と2組でのジョイントで3カ所やった。宜野湾K-mindでのライブの時、超大型台風が接近していた。その日、コザでのウルフルズのライブがキャンセルになったと、ウルフルケイスケやツアーメンバーのキーボード・プレイヤー伊東ミキオも一緒にライブをやることに。末期癌だという若い女性客がトイレで倒れて救急車を呼んだり、なんだかとても不思議で大変だった。中村達也は、そんな状況は我関せずで、ただ太鼓を叩き続けていた。
今夜の中村達也は、間に10分ほどの休憩があったものの、ほぼ1時間半、叩きっぱなしだった。生のドラムから次々と新たなリズムが立ち昇ってきて、とにかく目が離せない鬼気迫る演奏だった。
終演後のサイン会で、Touch-Meが最後に沖縄でライブをやったのは7年前だったと、北谷のMod’sでその時のライブを見たという女性が話していた。でも多分それは違ってる。遠藤ミチロウとまたTouch-Meをやろうと話していたが、3.11の後に、Touch-Meを沖縄でやった記憶はないのだ。

(文:野田隆司)

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