【Tokyo / Taipei / Beijing】「アジアインディーexpress」Vol.2「北京のヴィジュアル系デスコアバンド、コロナ禍の苦難」

皆さんこんにちは!旧正月(旧暦のお正月)を無事迎えることができました。新年快楽、今年もよろしくお願いいたします。
ちょうど2年前は中国でSARSを彷彿とさせる感染症が流行り出したという情報を聞いて、その年既に決まっていた日本のバンドの中国ツアーがどうなるか心配していたのですが、まさかこれ程までに世界に大きな爪痕を残すような事態になるとは想像できませんでしたね。
今は世界中でオミクロンが猛威を奮っていますが、中国、台湾では防疫対策が厳重に行われており感染の広がりは比較的抑えられているというのは皆さん既にご存知の通りなんですが、それでもたまに市中感染が増えたりして対応に追われる、ということがこの2年繰り返し起きているというような感じで、現在は国内のライブやフェスは基本的に開催はできているという、日本と近いような状況なわけです。ただ、中国に関しては感染者が出た場合の対応がとても厳しく、感染者が数名でも街を封鎖して全員PCR検査を行い感染者を追跡していくということもしばしば行われているようです。
 
そうなってしまうとやはりライブ開催どころではなくなってしまうのでロックダウンとなった都市の公演は延期や中止となるのですが、広い中国はツアーで回る都市も多く、その中のいくつかの公演がキャンセルになってもツアー自体は開催するという対応が昨年は多くみられるようになりました。
キャンセルになった都市のファンやイベンターの人たちの苦労は計り知れないものがあるのですが、ツアー自体は続けるんだ、という中国ライブ業界のたくましさを感じています。
 
そしてそんな状況の中でも北京のヴィジュアル系デスコアバンド「Scarlet Horizon/緋色地平線」の状況はなかなかに壮絶。
2021年に予定していた9箇所のツアーの内3箇所(結構多い!)がキャンセルとなり、さらにはハロウィン記念ワンマンライブもキャンセルに、、気を取り直して2022年心機一転で臨んだバンド結成6周年ワンマンライブもなんと開催前日にキャンセル・・!
今までも中国でのライブ公演は、ごく稀に世相的なタイミングが悪かったりすると公演がキャンセルになることもありましたが、この一連の流れは圧巻の一言。
ここまでコロナに振り回されたバンドもいないのでは、、ということで筆者はこれからも注目していきます。
この記事をご覧の皆さんも今後のScarlet Horizonの活動、絶対注目ですよ!!
さらに心機一転で3月から新しいツアーが始まるようで、常に前向きなバンドの姿勢に胸を打たれます。
今度のツアーは果たして無事開催されるのか?!中国インディーウォッチャーとしては2022年さっそくの最大の関心事になりそうです。
是非皆さんも念を送っていてください!
そして1日も早くコロナの影響が収まりますように!
<キャンセルに至るまでの過程が発信されたSNSのスクリーンショット>

 

2022年3月スタート予定のツアー。実現を祈るのみ!

※写真は全てScarlet Horizon/緋色地平線のweiboページより転載
寺尾ブッタ

 BIG ROMANTIC ENTERTAINMENT 大浪漫娛樂集團代表。
ライヴハウス「月見ル君想フ」、音楽レーベル「BIG ROMANTIC RECORDS」を東京と
台北で運営しながら、 アジア各地でイベントをプロデュースしている。 
2020年にレーベルショップ「大浪漫商店」を下北沢にオープンし精力的に展開中。
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