2018年の結成以来、タイ国内フェスや海外アーティストのオープニングアクトも含め多くのライブに出演し、フルアルバムを4枚制作し、着実に歩みを進めてきたオルタナティブロックバンド「Soft Pine」。
Soft Pineを初めて観たのは5年ほど前。タイのインディーズシーンでシティーポップが全盛だった頃、シティーポップバンドばかりが出演するイベントにブッキングされていた。初めて聞く名前で、どんなバンドなのかちょっと見してみよう、と軽い気持ちで見始めたら、その鬼才っぷりに息を呑み、ライブに釘付けとなった。
制作も精力的で、立て続けにアルバムをリリースし、くっきりと輪郭を伴って耳に残るメロディーはより研ぎ澄まされ、中毒性のあるトリッピーな音像はよりドープに深化している。
コロナもだいぶ落ち着き、海外渡航が比較的容易になった2023年。2月には沖縄発インターナショナルショーケースフェス「Music Lane Okinawa 2023」に出演し、合わせて那覇や東京でもライブをおこなった。アジア音楽好きな人たちの間ではすでに評価が高かったSoft Pineだが、日本ツアーでのライブが素晴らしく、噂が噂を呼び、その名前はより広くひろまることになった。
まだ熱が冷めやらない同年11月には、日本、台湾、韓国、中国、フィリピン、シンガポールなどアジアのバンドを東京・渋谷に集めておこなわれたサーキットフェス「BiKN SHIBUYA」に出演。BiKN翌日には渋谷Milky Wayにて定期開催されている「ClubBAGSY」にも出演し、その場に居合わせた人たちが次々とファンとなっていった。
同年に2回おこなった日本ツアー。その2度目の日本ツアー中、どのようなことを感じ、どのようなことが印象に残ったのか。ギターボーカル X、ギター VIKING、ドラム BOOM、ベース AMP、にインタビューをおこなった。
インタビュアー、翻訳、文:Ginn (Faustus, dessin the world)
– 日本ツアーでは、ライブハウスでライブをおこない、音楽フェスティバルにも参加をしました。日本の音楽シーンに触れて感じたことはありますか?
X: 日本のライブ観賞文化が好きです。純粋にライブを楽しんでて、演奏に対し敬意を払っていると感じます。演者と観客の音楽を通じた想いのやり取りが生まれていて、とても特別な経験をしました。
日本のライブハウスは音響環境も素晴らしく、スタッフの方々も細部にまでこだわりがありました。
自分にとって、日本でライブができることは、とてもエキサイティングなことで、また、特別なことでもあります。
VIKING: 観客の皆さんが真剣にライブを観てくれました。緊張感があるものの、プレッシャーになるような感じではなく、とても楽しかったです。毎回、日本ツアーの後はヤル気が込み上げてきて、タイに戻ってからの作曲活動に活力をもらえています。
BOOM: 日本のライブハウスが好きです。まるで命を持っているようでした。お客さんが真剣にライブを観ていることに深く感銘を受けました。
AMP: 緊張と感動を同時に感じていました。スタッフ、演者、お客さん、それぞれ皆が自分の役割をしっかりと全うしていて、とても良い空気が漂っていました。
– 共演した日本のバンドはいかがでしたか?
X: 日本ツアーで出会ったバンドの皆さんが、挨拶してくれたり話しかけてくれたり、温かく迎え入れてくれました。DYGLのNobukiさんは遊びに連れて行ってくれて、知人を紹介してくれ、レコーディングスタジオに連れて行ってくれました。お互いの考えを語り合うこともでき、とても光栄なことで有難かったです。
VIKING: どのバンドも演奏が素晴らしく、共演できて嬉しかったですし、とてもエキサイティングでした。刺激をもらえ、自分たちも気合いの入ったライブとなりました。
BOOM: どのバンドも独自の自分らしさを持っており、素晴らしかったです。
AMP: 新しい友達がたくさんできました。Lucie,TooのHikariさんとは音楽のことやBiKNのことについて話したり、2022年のタイの音楽フェス「Maho Rasop」で会ったDYGLのNobukiさんとは一緒にハングアウトしたり、hmc studioというレコーディングスタジオに連れていってもらったり、とてもハッピーな時間を過ごせました。
– 日本ツアーのなかで一番印象的なことはなんでしたか?
X: 友人と一緒に時間を過ごせたことです。初めて会う人も多く、新しい友人ができました。美味しいご飯を食べ、オシャレなカフェやバーにも行けました。色んな場所に連れて行ってくれたDomuに感謝を伝えたいです(※インタビュアー注:Domu君は日本在住のタイ人。映像系の仕事をしており、日本語堪能)。
一番嬉しかったことは、僕らのライブを心待ちにするファンの方がいたということです。前回、2023年2月の日本ツアーのときから僕らを応援してくれている方々が多くいて、とても感激しました。日本ツアーで得た様々なことが、僕らのバンド活動や作曲活動にヤル気を灯してくれます。
そして、一番悲しかったことは、Suicaを失くしてしまったことです。
VIKING: 毎食、ご飯が美味しかったです!ライブでは多くの人が観に来てくれて驚きました。ステージスタッフの方々も仕事が早く、たくさん助けてもらいました。ファンの方がお土産を持ってきてくれて嬉しかったです。
BOOM: より多くの日本の方が僕らのことを知ってくれていたことに感動しました。前回の日本ツアーからのファンの方もライブを観に来てくれました。今回のツアーで、バンドアンサンブルもより強固なものとなり、演奏していて楽しかったです。もしGinnさんが僕らをサポートしてくれてなかったり、ドラムのチューニングを手伝ってくれてなかったら、もう最悪でした (笑)。ありがとうございます。โอซึคาเระ ซามะเดส (原文ママ。「おつかれさまです」をタイ語発音で表記)。
ライブ以外では、友人のDomuにも会うことが出来ましたし、ROOMOOの美容師のChinatsuさん、Domuの友人のKaiさん、DYGLのNobukiさんなど、多くの新しい友達ができました。日本の友人が僕に「けんじろう」という日本の名前を付けてくれました。ただ、一番楽しかったのは、日本でサイクリングができたことです。
AMP: バンドメンバーと多くの時間を一緒に過ごせたことです。
– 次回の日本ツアーの際には、どんなことをしたいですか?
X: ライブを観に来てくれた人たちにもっと楽しんでもらえるよう、もっと良いライブができるようになりたいです。VIKINGのステージでの日本語MCがもっと流暢になっていくと良いなと思っています。新宿アカシアのロールキャベツをまた食べたいです。Chinatsuさんに髪を切ってもらいたいです。
VIKING: 日本語をもっと上手に喋れるようになりたいです。あとはサイクリングもしてみたいし、美味しい食べ物も探索したいし、新しい友達とも出会いたいし、色んな街にライブをしにいきたいです。
BOOM: 南から北まで日本ツアーに行きたいです。hmc studioでSoft Pineのレコーディングをしてみたいです。そして、またサイクリングも楽しみたいです。
AMP: 散歩したいです。日本にいる間は時間が早く過ぎていくように感じるので、もっと心ゆくまで風景や文化を満喫したいです。
– 最後に、日本のファンにメッセージをお願いします。
X: 日本ツアーに行く前は、僕らのライブにあんなに多くの人が足を運んでくれるとは思ってもみませんでした。僕らのライブを楽しんでくれて、ありがとうございました。僕らもとても楽しかったです。また近いうちにお会いできればと思っています。じゃ、またね (原文ママ)
VIKING: 僕らのライブを観てくれた人も、僕らのライブに来れなかった人も、僕らを応援してくれて、ありがとうございます。また日本でライブをしに戻ってきたいです。お疲れ様です! (原文ママ)
BOOM: อะริกาโตะโกซัยอิมัส (原文ママ。「ありがとうございます」をタイ語発音で表記)。素晴らしいツアーでした。僕らの新作にご期待ください!
AMP: また日本にライブをしに戻ってきたいです。応援してくれて、ありがとうございました。daisuki (原文ママ)
Soft Pine
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