コザの天ぷら【コツのいらないアジア音楽】VOL.9ー
Music Lane Festival Okinawa 2024【速報版レポート】

今回の【コザの天ぷら】第9回はMusic Lane Festival Okinawa 2024【速報版】”べニュー”の皆さんとアレコレ。と題してお届け

15分

Music Lane Festival Okinawa 2024の会場の端と端、アーケード商店街を通りゆっくり歩いて15分。

沖縄でいうところの、パレットくもじから那覇outputまで徒歩15分。東京でイメージするところの、下北沢駅から新代田FIVERまで徒歩15分もしくは渋谷駅から新宿LIQUIDROOMまで徒歩15分。その道すがら、昔ながらのコザの金物屋、呉服屋、立地故のアメリカ文化の影響を感じる看板、若い起業家の集まるインキュベート施設、こだわり強めの飲食店が並ぶ。会場と会場をつなぐコザのまちなかを移動しながら、ふと喫茶店や居酒屋の店内をのぞくと、出演者が他の出演者と音楽談義の真っ只中。海外からきた彼女・彼らもオリオンビール片手に沖縄を満喫してくれているのが嬉しい。そんなことを思いながらも、次のステージの開始時間が気になりスマホを取り出し、よそ見もほどほどに歩くスピードが上がる。

今回のイベント会場となるべニュー(会場)は超個性的。低音が強烈に鳴るRemy’s。沖縄市で生まれた知名御多出横(ちなオーディオ)のスピーカーからなめらかな空間的な音の広がりを魅せるCrossover Cafe 614、音楽スタジオだけではなく、クリエイターのサロンとしても機能する騒音舎など、直径1キロ弱のエリアで主催者の心意気を汲んだ漢気あるライブハウスが6会場。リハーサルをのぞき見ると特徴的なライブハウスのセッティングに苦戦しているバンドも。一方で地の利、沖縄選出のアーティストはその会場の特徴も武器にステージに挑む

30分

今回の出演者に与えられたステージ時間。それが国内外144組の中から選ばれた51組に与えられた時間。その30分の演奏中もフロアにいるオーディエンスとデリゲーツ(音楽関係者)は、ひっきりなしに会場を移動する。今年は会場数も増えたためか、人の出入りは相当激しい。
国内音楽フェスティバルとは異なる独特のプレッシャーの中、ベストを出し切った出演者へ私が何かできることがないだろうか?

突然のお願い

“みんな素晴らしい出来で、僕に言えることは何もないよー!”

Remy’sのオーナーで当日PAを担当したレミさんは頭を悩ませながら、出演者へ激励のメッセージをもらえないか、という私の突然の無茶ぶりに応えてくれた。

Texas3000 @ Remy’s
Photo :Naoko Taira

レミさんTexas3000はドラムのテクニックに圧倒!本当にドラム上手すぎて唸ってしまったし、香港のXTIEは彼女の可愛らしいチャーミングな人柄がそのまま発露されて素晴らしいステージだった。観ていた人はみんなファンになったのではないかな?

emma aibaraのステージは良い意味で衝撃。彼女の表現しようとしているものは今まで観たことなく強烈。彼女の音楽こそ新しいジャンルになるのではという可能性を感じたな。

Johnnivanはリハーサルの時点から、楽曲の完成度の高さ、ステージングの完成度ともに際立っていて、これからもっと大きな舞台での活躍を期待せずにはいられなかった。”

同じ質問をCrossover Cafe 614のオーナー&PA 松田栄治さんにも

松田さん “あくまで個人的意見として、ね。順位ではないですよ”と前置きした上で

松田さん “イスラエルを拠点に活動するICE HOKKU。とにかく人並みですがかっこよかった!コンセプト&サウンドメイキングともステージングが素晴らしく、自分以外の出演アーティストに対してのリスペクトも強く感じ、とても素晴らしいと思います。機材が一つでもトラブったら演奏が破綻しかねない中、計算されたステージでした。

ICE HOKKU `Crossover Cafe614
Photo : Naoko Taira

 

安次嶺希和子 @ Crossover Cafe 614

安次嶺希和子は楽曲の構成(歌詞)含め彼女は感性が高い。それゆえステージは生もの感が強く、PAとしても腕がなる現場です。当日、本番のパフォーマンスはすべてがプラスに作用して素晴らしかったです。サウンドトラックの完成度も良かった。

Adele A。彼は私的に岡村靖之的で至極エンターテイメント性を感じ、観客としても楽しんで見させてもらいました。

イタリアとモンゴル出身の2人からなるユニット、straw man.&celinreは当日、機材トラブルで本領を出せなかったのが気がかりです。楽曲はヨーロッパ&アジアを感じ、本当に素晴らしかった。

strawman.&celinre (Italy / Mongolia)

最後に、akira.drums彼は映像とドラムを同期させてのライブ演奏。新しい可能性に挑んでいて、友人としても、忖度なく良かったです”と応えてくれた。

誰もが口々に「カッコよかった!」「凄かった!」と言葉を交わす空間はとても心地が良いな、音楽って素晴らしいな、なんてことを考えながら、このイベントだからこその素晴らしさを考える。

新しい音楽に出会う煌めきと、はじめましての出会いと、またお会いしましょうのあたたかな言葉。どんな人も受け入れてもらえそうな懐の広さ。

誰も彼も出演者、デリゲーツ、観客同士が垣根なくフランクに様々な言語で言葉を交わす。社交辞令的な堅苦しさを感じることなく、その目の前にある出会いを楽しむ人が本当に多い。それにこの沖縄市コザの歴史的な背景もあいまっての間口の広さ、間違いなく、ここでしか出来ない重要なファクターになっている。

1/10 

沖縄は東京の1/10-新型コロナ蔓延時、沖縄で頻繁に見聞きしたフレーズ。沖縄の人口は東京のおよそ10分の1。

沖縄市コザ周辺には東京都心に匹敵する数のライブハウスと、DJができるBarやCLUBがある。1/10故のリスキーさもあるだろう。それでも音楽のために馬力の利く頼もしいベニューがあることは音楽を楽しむ者として、とてもありがたい。出演者と、このイベントを支えてくれているベニューに最大限の感謝を込めて

長くなってしまったので、詳細なレポートは次回。

 

筆者紹介

サクライアヤコ:沖縄本島やんばる在住。アジア圏のインディペンデントな音楽を愛聴する、コラム・エッセイスト。
Instagramにて、邦楽アーティストとアジア圏のアーティストのコラボ(コライト)曲に特化した楽曲レビューを不定期更新中 。
Music Lane Festival Okinawa2024の出演者を網羅したミュージックプレイリストはこちらから!(SpotifyAppleMusic

 

 

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