【Column】
コザの天ぷら【コツのいらないアジア音楽】VOL.7
ー 沖縄とアジアの音楽シーンをめぐる動き2023!

コザ天7回目、今回は2023年の総括的な話題を取り上げてみる。
日本国内としてはアニメ主題歌を起点としたYOASOBI アイドル、10-FEET 第ゼロ感のヒットやSNSのbuzzヒット由来の新しい学校のリーダーズのオトナブルー、ゆこぴ  強風オールバックなどが印象に残る。

そこでふと思い浮かんだのは、音楽で沖縄とアジアがリンクする話題だけで2023年を語れるのではないだろうか?ということ。
もちろん今から自分のやろうとしていることをまとめたサイトやメディアは見つけられない&見つからない、自分でやるしかない!と、沖縄とアジアがリンクする話題だけをピックアップ!

・1月~4月 Awich圧巻!

はじめに1月~4月。この時期は日本国内は行動制限が一部残った状態で、直前の公演中止など、まだまだ思うように活動できないミュージシャンが多い中、この時期のAwichのアジアに向けての活動が目を見張る。2023年以前からアジアを見据え地道に種まきをはじめたことがわかる活発さ。現状、アジアで日本のヒップホップが積極的に聴かれているわけではないが、今後の盛り上がりを見据え、さらなるアジアに向けた活動を期待したい。

もうひとつピックアップするのは今年2月のMusic Lane Festival Okinawa2023、詳細なレポートは日本とタイの橋渡し役(デリゲーツ)のGinnさんのコラム(前編中編後編で感じられるので是非ご一読を。沖縄の音楽の現場は冗談抜きに老若男女いるのが素晴らしいといつも思う。飛び込みで、偶然居合わせた通りすがりの人が、ミュージックタウン音市場の1F音楽広場でライブ終わりのミュージシャンにその感動を伝えに駆け寄ったり、「誰が出るのかわからないけど楽しそうだから来てみた」と談笑しながらチケットを購入する地元のおばちゃん連れや、陽気な音楽が流れている場所に吸い寄せられ踊りだす昼飲みのおじい・おばぁ、会場の最前列でステージの素晴らしさに目をキラキラさせる若い人などを見かけるたびに、この街が音楽の街である所以を感じることができる。
2024年はどんな素晴らしいミュージシャンと、演奏に出会えるか。来月が待ち遠しい。

 【1月】
   ▼≪韓国≫沖縄出身のラッパーAwich 、韓国ライブ
    - SE SO NEON Live in Korea “Hello, World ! 2023”

 【2月】
   ▼≪沖縄≫Music Lane Festival Okinawa2023
    沖縄県内17組、国内13組、海外15組のアーティスト/バンドが集い開催!

   ▼≪韓国≫韓国拠点で活動するCAMO、Awichとのコラボ曲リリース!
    - Love Fades (feat. Awich)/CAMO

 【3月】
   ▼≪東京≫Awich、SE SO NEONの東京公演にゲスト出演
    - Hello, World! SE SO NEON Live in Tokyo

   ▼≪タイ≫アイドルグループ JO1とINI、タイでコンサート公演
       (JO1のメンバー與那城奨と、INIのメンバー松田迅は沖縄出身)
    - JO1 x INI SPECIAL EVENT IN THAILAND

 【4月】
   ▼≪タイ≫Awich、世界的なヒップホップフェス Rolling Loud Thailandに出演

   ▼≪タイ≫タイを拠点に活動するOG BOBBY、Awichとコラボ曲をリリース
    - OG BOBBY – YEAH Feat. Awich (Prod. by NINO)  


・5月~9月Music Lane Festival Okinawa2023の出演の成果が徐々に発現

続いて5月~9月。先ほどのMusic Lane Festival Okinawa2023開催時に招待されたデリデーツとの交渉でチャンスを掴んだアーティストの海外フェスティバル出演や、アジアのアーティストを招聘した沖縄県内のイベントの開催がこの時期から発現。InstagramのストーリーやVlogなどを追いかけていると、海外での手ごたえを感じているアーティストがこの後も続々と続いていくことから、良い形で海外との接点を持てていることがわかりとても喜ばしい。

その中で実際にその瞬間に立ち会うことができた、Alisson Shore / Rude-α / Tanayu / Waiian / ¥uK-Bが8月にライブで初披露した「Love Live Life」については、これまで制作をデータのやり取りやネット上のオンラインツールを活用し制作されたこともあってか、この日の本番この5人の「やっと会えた!」という喜びが爆発したようなステージング。

出会えた喜びが伝播し観客もつられて笑顔になれるような、そんなあたたかな雰囲気で幕を閉じた。コラボ楽曲のひとつのゴールの形はこの瞬間かもしれないと思えるライブ演奏だった。

 【5月】
   ▼≪韓国≫沖縄を拠点に活動するelement of the moment
    韓国の蔚山(ウルサン)ジャズフェスティバル出演

 【6月】
   ▼≪香港・上海・台湾≫Awich 、JP THE WAVYとともにアジアツアー開催
   ▼≪台湾≫玉城千春(Kiroro)× 徐 若瑄( ビビアン・スー )台湾の台日友好企画Zepp Premium第4弾出演
   ▼≪沖縄≫ミュージックタウン音市場Koza City Jazz開催
    element of the moment、 韓国のGray by Silver 台湾のOC experimentが出演
   ▼≪沖縄≫沖縄を拠点に活動するARAGAKI MutsumiとGray By Silverの
    コラボレーションが実現
   ▼≪台湾≫ORANGE RANGE×蕭秉治 XIAO BING CHIH 台日友好共演企画
     Zepp Premium第5弾出演
   ▼≪沖縄≫日韓文化キャラバンin沖縄開催。
    韓国アイドルグループ n.SSign が出演(メンバーのカズタは沖縄出身)

 【7月】
   ▼≪モンゴル≫沖縄を拠点に活動するTOSH、モンゴルの音楽フェスティバル
    PLAYTIME FESTIVAL 2023出演*
   ▼≪モンゴル≫TOSH、モンゴルの505 CLUBでライブ出演

    - my first time in Mongolia

 【8月】
   ▼≪台湾≫沖縄を拠点に活動するラッパーRITTO
    台湾・タイのアーティストとのコラボ曲をリリース

    - 【Levi’s Denim Blue】 – ft. Miss Ko. The Crane. Gummy B. RITTO. AUTTA

   ▼≪沖縄≫沖縄を拠点に活動するラッパーRude-α と¥uk-B、
    フィリピンで活動するAllison Shore とWaiian、インドネシアで活動するTanayuと
沖縄でOur New Songlines 2023で共演

 【9月】
   ▼≪沖縄≫Alisson Shore  Rude-α  Tanayu  Waiian  ¥uK-B コラボ曲リリース

   ▼≪マカオ≫沖縄を拠点に活動するAs Alliance、マカオの音楽フェス 
                    OH!MY ROCK MACAU MUSIC FESTIVAL出演

   ▼≪沖縄≫沖縄と台湾の音楽交流イベント
    第10回 島嶼音楽季HOT Islands Music Festival開催。
    台湾原住民ミュージシャンと沖縄で活躍する伝統音楽ミュージシャン12組が共演

 

・10月~12月音楽フェス&海外ライブてんこ盛り!

10月-12月、海外での音楽フェスティバル出演や、アジアのアーティストとのコラボ楽曲のリリースと毎週何かしらのトピックがあり、混乱しそうになるほど充実。

この中で注目したいのは台湾のラッパー紅粉鍊人PiNkChAiN。
沖縄の音楽フェス、波の上フェスティバル出演が主な理由だが、沖縄の場とオーディエンスの雰囲気を実感してフェスティバルに挑みたいと、音楽フェスティバル1週間以上前に来沖。開催前にフェス以外のイベント出演や今年の夏に意気投合したRITTOなどとのコラボ楽曲制作などを進めた。

 

来沖当初の沖縄市騒音舎でのライブは緊張が残るステージだったが、音楽フェスティバル当日は序盤はヒップホップのクラシックなカッコよさを際立たせる楽曲を、中盤は彼の所属するヒップホップクルー黃嬉皮Yellow Hippyの来沖クルーを全員ステージに登場させ、ドラえもんのサントラをサンプリングするなど、黃嬉皮Yellow Hippyのステージはコントを見ているようだと評される、ファニーさを持ったパフォーマンス。終盤になると紅粉鍊人PiNkChAiNはステージから観客の反応を楽しみつつ、1音に4語5語6語を不規則に畳みかける、得意の違和感を楽しむ紅粉鍊人PiNkChAiNらしいフロウが披露され充実したステージだった。

紅粉鍊人PiNkChAiNと同様に、音楽フェスティバル出演前に台湾に長期滞在したのは沖縄を拠点に活動するTOSH。出演する音楽フェスティバルLUCfestが企画したコライトキャンプ(楽曲の共同制作合宿)にフェスティバル出演前に参加し、現地のアーティストとの交流と現地の音楽シーンを肌で感じたことでフェスティバルでも実力を発揮、台湾で強い印象を残した。

 【10月】
   ▼≪韓国≫東京と沖縄を拠点に活動するFamous Japanese
    韓国コンペ形式の音楽フェス バスキング・ワールドカップ 最終予選選出

      ▼≪韓国≫沖縄を拠点に活動するHOMEとTOSH
    韓国のショーケースフェスティバルZandari Festa 2023出演

   ▼≪韓国≫HOME、韓国の音楽フェスティバルssam.kr出
   ▼≪韓国≫Famous JapaneseとTOSH,韓国でライブ出演
   ▼≪韓国≫HOMEとTOSH、韓国でライブ出演

   ▼≪韓国≫HOME、タイのバンドYONPARAの代打で韓国でライブ出演

   ▼≪沖縄≫沖縄を拠点に活動する上間綾乃、奄美を拠点に活動する里アンナ×佐々木俊之、台湾で活動する葉穎Leaf Yehによるイベント
    Brand-New TRAD 2023が沖縄で開催

   ▼≪シンガポール≫HOME、シンガポールの音楽ショーケースフェスティバルAXEAN festival 2023出演

   ▼≪沖縄≫沖縄を拠点に活動するFunnynoise
    韓国を拠点に活動する音楽ユニットWedanceを沖縄に招聘しイベント開催

  【11月】
   ▼≪台湾≫Famous Japanese、台湾の音楽フェスティバル
    臺南城市音楽節Tainan Music City出演

   ▼≪インドネシア・タイ・台湾≫JO1 アジアツアー開催

   ▼≪沖縄≫台湾で活動するラップクルー黃嬉皮 Yellow Hippy
     沖縄市のライブハウス騒音舎のイベントに出演

   ▼≪台湾≫Famous Japanese、TOSH、HOME
    台湾の音楽ショーケースフェスティバルLUCfest 貴人散步音樂節出演

   ▼≪台湾≫TOSHとHOME、インドネシアのバンドGrrrl Gangと
    台湾でライブ出演

   ▼≪沖縄≫台湾を拠点に活動する紅粉鍊人PiNkChAiN 那覇の大名児童館で子ども会のイベント出演

   ▼≪沖縄≫RITTO 、台湾で活動する紅粉鍊人PiNkChAiN 、曾我黎Sogareとコラボ曲「HUELUI」リリース
    - RITTO & PiNkChAiN & Sogare – HUELUI

   ▼≪沖縄≫沖縄 波の上フェスティバル2023開催台湾よりラッパー3組
    Leo王 feat.春艷、HUGO、紅粉鍊人PiNkChAiN出演

   ▼≪タイ≫RITTOと石垣島出身のCHOJI タイでライブハウスイベント出演

   ▼≪台湾≫大名児童館が主催する、沖縄と台湾の学生バンドも参加する
    交流イベント風人の祭2023を台湾で開催

 【12月】
   ▼≪上海≫JO1 アジアツアーで上海公演

   ▼≪沖縄≫コザミュージックタウン音市場で音楽イベント
    MUSIC POWER 2023開催。台湾のバンド緩緩Huan Huanを招聘

   ▼≪台湾≫沖縄出身で台湾を拠点に活動する千田愛紗と沖縄出身の島袋寛子、日台友好企画 “Zepp Premium”出演

・2023年まとめ

ここまで読み進めて行くと、想像以上の沖縄とアジアをめぐる動きに、驚いている人も多いのではないだろうか。日本のトレンドとは全く異なる独自の路線で、アーティストが各々海外に飛び出そうとしている様子がうかがえる
この1年の動向から見えてくることは
①沖縄のヒップホップシーンとアジア
②アジアのアーティストを招聘した個性豊かな沖縄県内イベント
③沖縄発のアジアのアーティストとのコラボ曲
 沖縄県内のイベント(②)の中でも大名児童館の動きに注目したい。
大名児童館は11月に紅粉鍊人PiNkChAiNを子ども向けの音楽イベントに出演させたり、大名児童館が主体となりクラウドファンディングで沖縄県内の学生の旅費を集め、台湾現地で音楽イベントを開催している。これを音楽シーンの外から児童館がやってのける。ただただ驚きだ。大名児童館の企画をはじめとして、沖縄県内の音楽イベントは各々、イベント開催の意義が明確で、観客が能動的に参加する楽しさを持つイベントが多い。
 また、②の動きを起点にして、様々なコラボ曲が制作されていることも注目だ(③)。おそらく、今度さらにこの流れは大きくなっていくことと思う。(コラボ楽曲制作に既に入っているという声もちらほら。)2023年の充実度以上の2024年を心待ちにしている。

筆者紹介

サクライアヤコ:沖縄本島やんばる在住。アジア圏のインディペンデントな音楽を愛聴する、コラム・エッセイスト。

Instagramにて、邦楽アーティストとアジア圏のアーティストのコラボ(コライト)曲に特化した楽曲レビューを不定期更新中 。

現在、Music Lane Festival Okinawa2024の出演者を網羅したミュージックプレイリストを公開中(SpotifyAppleMusic

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