【Interview】秋山信樹(DYGL)Vol.5 “大きな手応えを得た全国ツアー。その締めくくりは、クリスマスのコザで”

Photo : ERINA UEMURA

 今年8月に3rdアルバム「A Daze In A Haze」をリリースし、10月から11月にかけて、全19本の全国ツアーを完走した、ギターロックバンドDYGL(デイグロウ)。12月25日に、ツアーのAfter Partyと題して、ミュージックタウン音市場(沖縄市)で、沖縄のアーティスト、naz.とTOSHをゲストにライブを行う。
 沖縄にルーツを持つという、フロントマンの秋山信樹に、コロナ禍を経て現在に至る音楽活動や、その時々の想い、これからのビジョン、そして沖縄でのライブについて話をしてもらった。
 連続5回のインタビュー・シリーズの最終回は、3rdアルバムをリリースして行われた全国ツアーと、12/25の沖縄でのライブについて。

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 DYGLは、3rdアルバム「A Daze In A Haze」をリリースして、全国19カ所を回るツアーを行った。今回から、ドラムの嘉本康平が、ギターにまわり、ドラムはサポートを入れてツアーが行われた。

 

「ドラムの嘉本が、“自分はドラマーじゃない”ってずっと言ってたんです。そもそも彼はギターがめちゃめちゃうまかったんですよ。

 本当に初期の頃は、僕がドラム・ボーカルでやることが多かったんですけど、僕がギター・ボーカルをやった方が何となく収まりが良いなとなってからは、僕が前に出ることになって。その時に嘉本が、一旦“ドラムでいいよ”、みたいに言ってくれて、それがずっと続いていたんです。
 そんな中、嘉本自身が、”バンドのクオリティー的に今の限界を越えるなら、ドラマーとしてしっかりやれる人を入れたほうがいい”と、ハッキリ言ってくれて。

 今回のアルバムは、ギターのレイヤーも多いので、何ならギターを1人増やしてもいいと思ってたのですが、レコーディングの段階から彼がギターも弾くようになり、ライブではサポートドラムを入れようという話になったんです」

 

 レコーディング前のメンバー間のディスカッションに始まり、変化を前向きに捉えるという意識の変化、パンデミックというこれまでとは異なる世の中の大きなうねりを経て行われた全国ツアー。ベストを尽くしながらも生じるミスを新たな糧に変えていく。その手応えは非常に大きかったようだ。

 

「しっかり準備ができたこともあって、手応えはありました。1st、2ndのツアーの時はすごく手探りだったんです。僕自身ライブについて時間をかけるより、制作や海外でどう活動するかっていう事に集中していて、本当にライブそのものについて深く考えて、どう改善していくかまで意識が回っていなかったなと今回気づきました。

 今回のツアーでは、できるだけベストを尽くすことで、その分どこが問題点か気づきやすかったですね。ベストを尽くした状態で失敗やミスに気づくと、しっかり食らうというか(笑)でも落ち込むというより、いい成長の機会になったと思います。今できるベストを出し切って、その上で足りなかったところが見つかって、はっきり言葉で指摘してくれる人も周りにいて、結構、身が引き締まる思いでした。

 何日も連続していたライブでも、しっかりクオリティを落とさずにやれたと思うし、ドラムにサポートで入ってもらうことで、演奏が厚くなって曲の再現度も増した。いろんな点で新しい試みができたと思います。うまくいったことはうまくいったものとしてよかったし、全力を尽くした上で、今の自分たちの限界をしっかり見て、まだこの程度なんだっていうふうに気づけたところもありました。今まで以上に、良いライブをしたいと思えるようになりました」

 

 そして、12月25日には、ミュージックタウン音市場でのライブが行われる。全国19カ所のツアーを経て、新たな高みへとステップアップしたDYGLの一番新しいサウンドを体感できるはずだ。

 

「僕にとって沖縄は親戚もいたり、長い間帰省先として来ることが多かったので特別な場所です。ライブ当日はライブのことに集中するとしても、特別な思いは変わりません。それこそ沖縄は暖かくてリゾートみたいなイメージがありますから、県外からくるバンドもそういう気分になることが多いと思うんですけど、自分たちは、他の地域でやるのと全く変わらないテンションで、バキバキにライブがしたいって気持ちはありますね。

 とにかく、いいライブがしたいです。楽しい日になるといいな。そういう意味では僕らのことをあんまり知らなかったり、インディーロックみたいなものを普段聴いてない人たちにも来てもらって、そういう人たちにも届くようなライブができたらいいなと思います。僕らの周りにいるバンドとか、僕らがこれまで影響を受けてきた音楽にも興味を持ってくれるような、つながりを生むきっかけになったらうれしいですね」

(了)

 

秋山信樹(DYGL)インタビュー
Vol.1 "パンデミック前夜に感じていたバンドへの想い。コロナ禍でのそれぞれの変化"
https://musiclaneokinawa.com/archives/51792

Vol.2 "アーティストとしての意識を持って示す態度。 
社会の一員として、最良の選択をするという意識"
https://musiclaneokinawa.com/archives/51796

Vol.3 "2ndアルバムの教訓を糧に、バンドとしての変化を前向きに受け入れて辿り着いた、
 新たな音楽の高み"
https://musiclaneokinawa.com/archives/51810

Vol.4 "メンバー全員参加の曲作りで、作品の振れ幅はさらに大きく。 
より自分たちが納得できるサウンドに"
https://musiclaneokinawa.com/archives/51815

Vol.5 "大きな手応えを得た全国ツアー。その締めくくりは、クリスマスのコザで" 
https://musiclaneokinawa.com/archives/51823

取材・文:野田隆司 / Ryuji Noda(Music Lane Okinawa)


<イベント・インフォメーション>

▶︎Live At Home from Koza City
DYGL
A DAZE IN A HAZE TOUR
ゲスト:naz. / TOSH
2021/12/25(土)ミュージックタウン音市場(沖縄市)
*ライブ配信あり

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「Music Lane Open Lecture Vol.5」
“アーティストが、国境を越えるべき理由”
講師:秋山信樹 / Nobuki Akiyama
アーティスト / DYGL(デイグロー)ヴォーカル・ギター
2021/12/22(水)Live house Output(那覇市)

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